8月に民家の学校の同期でもある、木場のひでしな商店さんの計らいで、
木挽き見学をさせていただきました。
木挽きとは、大鋸(おが、おおがとも呼ぶようです)を使い
大木を挽いていく技術のことです。
今回、木挽きを披露してくださった職人さん。
有名な木挽き職人の林以一さんのお弟子さんだそうです。
墨かけの様子と、体験をしたひでしな商店の若旦那。
職人さんのように、思ったように挽けなくて苦笑いとか。
さて、木挽きって何のためにあると思いますか?
単純に考えると、今は機械で製材できるのだから単なる伝統技術の継承?
実は私も数年前まで、そうなのでは・・・?と思っていました。
または、大鋸で挽いた目の美しさを見せるため?などと・・・
勉強不足ですね。
【木挽きとは】
確かに昔は、機械製材が出来なかったので、
製材技術の一つとして発達してきました。
一昔前・・・家を建てるのに必要な材木は、
家の裏山の木を使っていました。(地産地消)
必要な分を伐り出し、そしてそこで木の目を見て製材をする・・・
そうすると、家を建てる人がいないときは仕事がなくなってしまうので、
木挽き職人たちが先にカットして店先で売るようになったそうです。
これが、材木屋の原点と言われる所以らしいです。
さて、ここから何故必要かという本題に(前置き、長過ぎー)
この「目」ですが、よく「杢」というコトバを耳にしませんか?
この木目の美しさは、原木をスライスしていく時に、
どこをカットするかで変わるそうです。
さらに、その美しさを引き立たせるには、木の樹脂が重要だとか。
製材の機械を利用すると、木の繊維を壊すようにカットするため、美しい木の杢を活かせない。
手仕事により、おがくずの量もかなり少なく製材できるそうです。
先日、職人さんに伺ったところによると・・・
◎木挽きが全ての木を挽くと、高くつく。
◎時間もかかるが、無駄なく木取りできる。
◎現代では、木の目を見てカットするところを
決めてあげられる事が一番重要との事でした。
当日も、丸太の切り口を見て
「ここでカットするのが、一番美しい面を見せられる」
と墨付けを見せてくださいました。
今回見せてもらったのは、白檀という高価な木でした。
全てを挽くわけではなく、何枚かに挽いてから製材所に持って行くと聞き、
「もったいなーい」と思った私たち。
この大鋸の挽き跡は、見えなくなっちゃうのかーと、残念。
仕事では、あまり銘木を使うことがないのですが、
こういう手仕事を活かせる設計も、やってみたいなぁと感じた日でした。
少しお裾わけしていただいた、白檀のおがくず・・・
この夏、風が吹くと私の机の廻りに、
清々しい香りを運んできてくれていました。
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