女性建築士のパッシブな家づくり~スピカ建築工房~

Philosophy - 事務所理念

心地よく暮らせる家、
住まいに+αの幸せを

人生100年時代。
家で過ごす時間はとても長いものです。

家での時間が幸せならば、ちょっぴり悲しい事や辛い事があった時でも
踏ん張れそうな気がします。

スピカでは「どう暮らしたいのか」に焦点を当てて、
住まい手さんの暮らしに真摯に向き合い設計を行ないます。

About - スピカ建築工房のこと

事務所名のスピカは乙女座の一等星(本人は水瓶座です)。
天空の乙女座が持つ麦の穂先で真珠色に輝く星は、
太古より旅人の水先案内人となっていたそうです。

竣工まで導けるように、家づくりを行う住まい手さんに向き合いたい。
そんな想いを込めて名付けました。

Profile - 私のこと

滝川 良子

TAKIKAWA RYOKO

一級建築士
1964年生まれ

父が大工だった事もあり、子供の頃から普請の仕事はとても身近なものでした。
建築の仕事は、擬似体験としていろいろな人になれるのでは。
と云う事がこの世界に踏み込むキッカケでした。
公共建築・店舗・住宅・集合住宅などなどを経験するうちに、住宅設計の楽しさを知ります。
さらに住宅設計にのめり込むキッカケは自宅でした。

職業柄、よく聞かれるのですが我が家は建売狭小住宅です。
ある日、何の相談もなく夫が決めてしまった物件でした。(汗)
実は建売住宅を手掛けた事のなかった私は、
恥ずかしながら新建材のみで建てられた家を見る事も、
まして住む事も初めての事で、いろいろと驚きがありました。
そして、遅まきながらローンを含めて注文住宅を建てる事のハードルの高さ、
一般的に設計事務所を探す事にもハードルが高い事を感じました。
2000年、もっと自分らしく暮らせる間取りや素材を使った家づくりをしたく、
小さな設計事務所を起こしました。

日々忙しく過ごすうち、自宅のリノベーションが出来たのはその後、
かなり経ってからになりましたが、やはり自分らしく暮らせる住まいは、
心地よく、日々幸せな気持ちになります。

そして2020年4月。
私ごとになりますが、
偶然、心臓に腫瘍が見つかり、
すぐに除去手術を受けないと危険と判断されました。
青天の霹靂でしたが、時はコロナ禍。
非常事態宣言と同時に入院し、手術を受ける事ができました。
皆さんがステイホームされていた時には、病院の個室で時間を過ごしていました。
術後、集中治療室で目が覚めた時は有り難さと、
「生かされている」という気持ちが強く病室の事を考える余裕はなかったのですが、
幸い腫瘍は良性で、1ヶ月半の入院生活の中、、、
真っ白いクロスの壁・スチールのベッド。病院なのでなかなかに無機質な部屋。
最低限必要な物は持参して、この位の荷物で過ごせるのかと実感してみたり、
ここに愛着のある持ち物が少しでもあれば、気持ちも安らぐなとも感じました。

家族や友人と会えないストレスに病室の閉塞感が加わり、早くここから出たい、、、と
なかなかシンドイ入院生活でした。
長い事幽閉されたような気分だったので、退院した日の事は忘れられなく。

新緑の緑の眩しさ。
久しぶりに会う家族。
そして自宅に戻った時の、住まいの佇まい。

ほんの1ヶ月半前には普通に住んでいた空間なのに、とても新鮮で。
塗り壁も、木の枠も、無垢の床材も。
造作洗面台や対面キッチン。
『家っていいなぁ』しみじみ、心の底からそう思いました。

また、スピカで設計させていただいたOBのお客様達から、ステイホーム中に
「住まいを心地よくしておいて、本当に良かったと思います」というメールを
いただいていた事もあり、心地よい住まいがもたらす強さを改めて感じた出来事でした。

健康を取り戻した今。心新たに、
なんでもない普通の日にも、ほっとさせてくれるような空間を_
これからも手掛けていきたいなと思います。
家での暮らしを楽しむ方がふえますように。

2021年2月(改定)