先週は早い台風の到来に驚きましたが、今日の東京は梅雨とは思えない爽やかな日となりました。
少し前の話ですが、6月のある日。
義母の13回忌のため、久しぶりに北海道入りしました。
夫の実家は旭川、と云っても美瑛の方が近く北海道らしいゆるい丘が連なるのどかな景色が広がる所です。
義母は前日まで元気に過ごしていて、6月の早朝に突然倒れてそのままその日に亡くなってしまいました。のんびりした、大らかな北海道のような人だった・・・というのが、私の記憶の中の義母。(夫には違うようですが・・・)その年の4月に子供たちを連れて会いに行っていたのですが、子供たちと一緒に撮った写真類を例によって忙しさにかまけて放置。そのうち送ろうと思っていた矢先の突然の死に、私は後悔ばかりでした。
定年を迎え、これから・・・という時、孫を可愛がってくれていた義母はいつも写真を送るととても喜んでいてくれたので、せめて亡くなる前に送って見せてあげれば良かったなぁ。。。他にもいろいろと思う事があり、思い出すと今でも心が痛みます。
まだ若い人の突然の死は周囲を混乱させ、長男のヨメらしい事は一切やらずに済んできていた私は、突然の長男のヨメ的立場に右往左往し、義母の姉妹である伯母達に助けられながら、まだ義母が亡くなった事を受け入れられず、叔母達の仕草や声に義母の面影を見出しては、突然泣き出す・・・・という、情けない状態でした。
今振り返ると幼い自分が恥ずかしいですが、嵐のように諸々の事が終わり、義母の遺品を片付けたりし始めた頃に、突然私の眼に6月の美しい北海道の風景が飛び込んできました。
その時まで急に起こった出来事に景色を見る余裕がなく、、、、そして今まで北海道に来た事があるのは、夏、冬、春休みなどが多く、6月の北海道は初めてだった事にも気がつきました。
なんて美しい緑の大地。
義母が大切に育てていた花々や畑、傍らの納屋とのコントラスト。
悲しみを一瞬払拭してくれるような、その景色に見とれてしまいました。
そういえば「一番気候の良い時に亡くなるなんて、周囲を気遣う彼女らしい」と、どなたかが話していたのを思い出しました。極寒の地では天候が悪いと親の死に目にも会えない時もあるそうですが、植物を愛した義母はこの美しい景色を私たちに見せたくて、この季節を選んで逝ったのではないかと思えるほど、美しいものでした。
そうして、法事の度にこの美しい景色を眺めて彼女を思い出す私です。
もう誰も住んでいない家。
取り壊された納屋。
整地された畑。
あの時の風景の中に義母はずっと居るような、そんな気持ちで帰宅しました。
空家を見て寂しい気持ちになりましたが、建物は住んでこそ活きてきますよね。
長々と私の感傷的な思い出にお付き合いいただいた事、深く感謝致します。皆様にとって幸せな時間が沢山訪れますように。↓日本ブログ村ランキングに参加しています。