先日、お問合わせいただいたお客様と、施主向け構造見学会に行ってきました。
SE構法で構造を検討したい・・・というご要望の方だったのですが、タイムリーに見学会があったためお誘いして参加していただきました。
その際に「SE構法」という名称が商標登録されている特別なモノだと気が付くまでに時間がかかった・・・・とお聞きして、いろんな意味で私も新たな気付きがありました。
そのお客様と話をしていて、SE構法って何?と思われている方が結構いるのでは・・・と感じたので、ちょっと説明を。
【集成材と金物を利用した、大きな空間を確保できる木構造です】
【他の金物工法とは何が違うの?】
金物だけで認定を受け、木造在来として従来の継手・仕口の代わりに金物を利用するものとは違い、構造材・金物を含む構造体として大臣認定を受けている構法のひとつです。
【それなら他の金物工法と違わないのでは?】
大きな違いは、力を受ける柱は「柱勝ち」となる事。
一般的な木造在来は基礎の上に土台が乗り、その上に柱が乗ります。そのため、柱にかかる引き抜き力に対抗するため、柱脚には大きな力に対抗できる金物が取りつきます。
SE構法の柱は基礎の上に直接金物と共に緊結されます。
【筋交いはないの?】
在来工法で利用する筋交いの代わりに、合板を利用した耐力壁を設けます。
※在来工法でも合板利用の耐力壁は利用されています。
【どうしてスケルトン&インフィルというCMをしているの?】
計算された断面をもつ柱・梁、金物を利用する事により、一般的な在来工法よりも少ない耐力壁で空間を確保する事が可能だからです。
【誰でも利用できるの?】
いいえ。施工登録を許された工務店でしか施工はできません。
設計に関しては、一定の設計講習を受けた設計事務所なら設計可能です。
【デメリットは?】
集成材しか使えない事でしょうか。真壁(本格的な和室)納まりが難しいと思いますが、和室ができない訳ではありません。
【高い?】
構造設計から構造材の提供まで一貫して行われており、どの集成材でも使用できる訳ではありません。
そのため、構造材が一般的な在来工法に比べると立米あたり2~3万円位高いと思います。
まるでSE構法の廻しモノのようですね(苦笑)。
確かにプランや構造的に集成材を利用するならSEはスッキリしていて、構造的にも明快だと感じるのでお勧めしています。
が、平屋であったり無垢材を利用したい場合は、在来や伝統構法をお勧めしています。
適材適所。
どちらも木の家です。
構造見学会は月に一度位の割合で行われていますので、興味のある方はSE構法の登録建築士に聞いてみてくださいね。
最後まで読んでいいただき、ありがとうございます。
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