川口の古民家再生現場_ナラノキのいえ。
『花と緑の 古民家カフェならのき』として今春オープン予定です。
1月末には店舗側の保健所検査も無事に終了し、
営業許可証をいただけました。
築175年、江戸時代後期の建物を一度解体し、現地再生している物件。
古い建物の良さを残し、耐震性と温熱環境を整え現代でも暮らしやすく、、、
が、住居側のコンセプトになりますが、
店舗側はもっと振り切っています。
なるべく古いモノを残したい。
元の建物の面影を残したまま、また100年以上使えるように。
という事で、一部にサッシを入れるも外周りにも古い建具を補修、またはそのまま使用しています。
そのため店舗側には屋根部分のみに断熱を施し、外壁側には入れていません。
そして既存の建物にあった、内部襖や書院、タイルなども再利用しています。
中でも私が絶対に残したく、お客様にもオススメして再利用を決定したものに、
ヴィンテージのタイルがあります。 ↓
美しい瑠璃色のタイル。
解体時は手壊しでしたが、それでも既存タイルを剥がすのはなかなか大変らしく、、、
タイルを再利用できるかは保証できないと言われながら、剥がしてもらいました。
一般的に既存タイルの再利用は難しいものがあると思いますが、
丁寧に剥がしてもらった事、
年月が経ちモルタルが剥がれやすかった事が重なり、
無事GET!!!
実は剥がした時にはモルタルがタイルの裏にガッツリと付いていて、、、
工務店さんには『再利用は厳しいです』と言われていました。
タイル屋さんも『ヴィンテージのタイルは、きれいに貼れないかも、、、』と
二の足を踏まれていました。
モルタル剥がし分の手間を浮かせるため、自分たちでモルタルを撤去。
↓ タイル裏を確認すると『FUJIMI』の文字。
調べると、歴史あるヴィンテージタイル『不二見タイル』でした!
『不二見タイル』は、村瀬亮吉という名古屋の茶陶家の不二見焼を発祥としているそう。
村瀬亮吉の長男であり2代目、村瀬二郎麿が明治30年代に東京高等工業学校で窯業を学び、
明治41年に和製タイルとして工業化を進めたものだそうです。
ちょうど朝ドラ「スカーレット」が陶芸の話でもあるので、調べていくうちに楽しくなってしまった私、、、^^;
日本の湿式タイルはそれまでは「ドイツマジョリカ」タイルが注目を浴びており、
「不二見タイル」は和製マジョリカタイルの草分けとか。
後に「不二見セラミック」と名を変えますが、残念ながら数年前に廃業されています。。。
ここまで調べて、本当に捨てずに再利用できて良かった〜というのが本音。
ナラノキのいえは江戸末期の建物ですが、明治期にトイレ部分を増築されており、
和製タイルをいち早く導入されたのでしょうか。
今回、カフェ部分のトイレと手洗いで使用しましたが、
再利用なので若干の不陸(平らではない)もあります。
けれどお施主さんにも喜ばれ、
これからカフェで来訪くださったお客様の目にもたくさん触れる事と思います。
明治から大正昭和を経て、平成そして令和へと、また愛されるタイル。
焼き物は大切に使うと、長持ちしますね。
喜美ちゃんの焼き物が誰かの人生を豊かにするように、、、、
(朝ドラ思い入れあり過ぎデス(^m^ )
このタイルも来訪くださる方にひととき、幸せを感じてもらえたら良いな。
そんな願いを込めて。
今日もここまで読んでいただき、ありがとうございました。
皆さまにとって、住まいが心地よい場所でありますよう。
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