川崎のリノベーション現場が始まりました。
キッチン廻りは、ほぼスケルトンとなり、
一昨日の現場では台風対策を行っていました。
築50年程、増改築を繰り返した建物ですが、
床下の風通しが良いせいか、浴室廻り以外は土台も無事でした。
昔の貫利用の土壁仕様だったため、
耐震補強はコボットを利用するつもりでしたが、
解体時に土壁と共に貫が取れてしまう事が判明し、急遽「筋交い+ダイカラット」で壁量計算のし直し・・・
天井の水平構面のみコボットを利用します。
さて、「現場で確認しましょう」とお客様と決めていた事がありました。
表わしにして小屋組みを見せたいと希望されていたのですが、
実際表わしにできるかどうか・・・
天井撤去後の小屋組みを見ながら打ち合わせる事にしていましたが、
表わしにするなんて理解できないと大工さんが訴えます。
監督さんと私は施主の希望を何とかカタチにできないものか・・・と、
大工さんに訴えながら皆で悩みながらの検討会。
お客様が大工さんの呟きを小耳にはさみ、
急遽消えたと思ったら、とある雑誌を持ってきてくれました。
特集タイトルは「おうちカフェ」。
大工さんは雑誌を眺め、
「わからないなぁ。どうしてこれがいいんだ?」と、またまた呟きます。
いろいろと検討した結果、表しで進める事になりましたが、
その直後にお客様のNさんからメールをいただきました。
今までは、大工さんに直接お願いして増改築を行っていたそうですが、
自分達の思うようにならなかったり、意図せぬモノが入れられてしまったり・・・
と云う事が多く、初めて設計事務所にお願いする事になって、
希望のイメージを伝えて、そこから進めることができて本当に良かった。
そんな内容でしたが、
メールを読んで建築士の仕事って、
ある意味「通訳」のようだなぁ・・・と感じてしまいました。
構造や断熱などの基本的な当たり前の事を押さえつつ、
素材やデザインやコストを検討し施主に説明しながら、現場に伝える。
Nさんも現場を楽しんでくださっているようで、竣工が楽しみです。
写真はNさん宅の子猫の「らくちゃん」。
現場に行くたび、すこしづつ大きくなっていく様子がこれまた楽しみでもあります。
まじめな家の記事はこちら
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4件のフィードバック
Dさん
初めまして。
コメントありがとうございます。
私の父も大工だったのですが、伝統的なサイズなどには「設計屋はわかってない」と、別の意味でセンスがないっ!と、言われたりしていました。
今回は化粧野地でもないのに、「何で?」と思われたようです。
「さん付け」は意識していませんでした・・・が、
他の業種をどう呼んでいるか考えてしまいました。
私は逆に設計者を「先生」と呼ぶ慣例には腹が立ちます。
職人は腕がよくても、全然センスがない人が少なくないですね。
工法がそのまま意匠になっている寺社建築ならいいのでしょうが。
大体「職人」「大工」にだけ「さん」をつけるなんて逆差別じゃないだろうか?
みゆうさん
コメントありがとうございます♪
そうなんですよね、今まで建築士ってサービス業かも・・・
などと感じた事もありましたが、
今回共通言語に直してる「通訳」みたいだな・・・と感じたのです。
みゆうさんとも同じ想いを共感できて、とっても嬉しいです。
ますます、何かで繋がりたくなってきました(笑)。
長い年月を経た架構の美しさが表れた瞬間。
そしてその姿を活かしていくこと・・・とても素敵ですね。
私も最近建築士の仕事って、現場・職人さんとお客さまと、家づくりに関わるいろんな複雑なものとの通訳なんだなと思っていたところで、すごく共感します。
どんな姿になるか拝見してみたいな~。
新たに命を吹き込んだ後の姿を楽しみにしています!!