先日HP内の事例にUPした『牟礼のいえ』
お引渡しから既に2年、、、💦
いつもながらUPが遅いです。
牟礼のいえの施主さん一家は、武蔵野台地に今も残る農家さん
初めて訪れた時は道路から奥まったところに立派な入り母屋の住宅が現れ、
さらに案内された高台に大きな麦畑が広がっていて、本当に驚きました。
以前のブログにも書きましたがこちら(別ページに飛びます)、
お施主さんとの打合せで決定した事項 ↓
・耐震補強で評点1.5にする。
・佇まいは残す。
・冬の底冷えを軽減する。
・夏の暑さを緩和する。
・将来的に車椅子利用も考慮する。
この中で断熱改修はご家族の皆さんの(奥様を除く)強ってのご希望でした。
「奥様を除く」とあるのは、、、、
このお住まいは奥様のご実家。
子供の頃は茅葺民家だったそうで、その時の部材を一部利用して
今の家を建てられた経緯から、昔に比べたらとても暖かく😅
夏はエアコンを各部屋に入れているため、それなりに涼しいとおっしゃっていました。
農家型間取りの牟礼のいえは、田の字の間取りを縁側が囲む
昔ながらの間取り。
数は少なくなったとはいえ、今も人寄せと呼ぶご近所の集会なども行うそう。
そのため、大勢の人が集まる際に襖を外せば大きな空間として利用できる
田の字の間取りは必須で、残す必要のあるものでした。
畳の間を取り囲む縁側は、ぐるりと木製建具が入り、、、、
とても趣きがある和風の佇まい。
素敵💓なのですが、縁側部分には壁がないため断熱どうする?問題が、、、、、
以前、住宅医スクールで同じような実例を学んだ際には、
縁側部分を断熱の大きな空気層と捉える事も視野に入れるように教わりました。
(それが絶対ではありませんが)
悩んだ末、今回のスピカでの解は、、、、
縁側木製建具を交換→ただし趣きを残し、でもある程の気密を取りたい。
☑️ そこでYKKのサッシ枠を利用できる木製ペアガラスを導入しました。
木製サッシで気密の取れるタイプは、いくつかありますが、、、
引違いはヘーべシーべのような片引き戸が多く、今回の純和風の趣きからズレてしまいます。
また、長〜い縁側の雨戸の開閉を楽にしたい!というご希望もあったため、
雨戸を移動させるために、木製引違いペアガラスとしました。
雨戸については、シャッター案も検討しましたが
外部から見える趣きを取り利便性を取り、、、
☑️ アルミ雨戸断熱タイプを導入。
ただし雨戸の戸袋の鏡板(外から見える部分)を造作で以前と同じ意匠で木製としました。
縁側のサッシ上部には、ガラスの欄間があり、、、
この交換が難しく、、、
☑️ 欄間手前にインナーサッシとして、木製FIXを導入。
現状では縁側床下は外部と板一枚で隔てられていたため、
☑️ 床下に断熱材を
畳の間を利用する際には暖房が入るため、縁側との間仕切りになる障子を
太鼓貼りにする予定でしたが、こちらは様子を見て考える事に。
大きな開口部は全て同じ考え方で進めていますが、
北側の外部から見えず、元々アルミサッシが入ってしまっていたところは
リクシルのサーモスⅡを入れています。
必要な箇所に耐震金物や耐力壁を入れた後、床下・外壁・小屋裏に断熱材を。
☑️ 小屋裏はロックウールのブローイングとしました。
ブローイング材、、、、メーカーが撤退する事になり、
この牟礼のいえの施工が最後だと言われました。残念です😢
増改築を繰り返した牟礼のいえは、電気配線もかなり増やしてこられたため、
スッキリと一本化するのが難しい状態でしたが
回線分けも電気屋さんが頑張ってくれ、上手くまとまって良かったと思っています。
今回、薪ストーブを導入されたのですが、、、、
断熱材の効きが良く、真冬も半袖でも大丈夫とか😯
夜は置き火のみで朝まで暖かいとおっしゃっていました。
何より底冷えが改善されたと喜んでいただけて、ホッとしています。
お引渡しが夏近くだったので、竣工後にお呼ばれいただき
工務店さんと座敷でお食事をいただきましたが、エアコンの効きも良く、
以前は縁側部分の廊下に出ると温度差で蒸し暑かったのですが
あまり気にならなくなりました。
↓ 襖を取り払っての人寄せでの利用
牟礼のいえでは、施主さんの思いの詰まった
既存の仕上げ材を利用した箇所も多くあり、
その事もいずれ記事に出来たらと思います。
そして断熱・耐震改修も施したうえでの
インテリアも是非作例の方でご確認くださると嬉しいです。
今日もここまでお付き合いくださり
ありがとうございました♪
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